人が三人寄れば組織が出来るといわれます。原始時代、自然に発生した組織は身内が中心となった生存のための部族集団でした。部族の長は集団を統率するために一定のルールを定めました。しかし、そんな集団も代替わりに際して誰が後を継ぐかが問題になったことは容易に想像がつきます。封建時代における単純な血統至上主義と異なり、優秀な統率者でないと、たちどころに集団の生存が脅かされる危険があったからです。このように、太古の昔から組織が生まれると同時に、そこに派閥を巡る戦いが繰り広げられるという歴史を繰り返しているのが私たち人間だと言えるでしょう。

そして現在、企業においてトップとその周辺の幹部経営者を頂点とするピラミッド組織には、派閥が生まれやすくなっています。中小や零細企業の場合は、ワンマン社長とその他の従業員という単純な構図というところも多く、派閥が生まれる素地はないと言えるでしょう。大きな組織の場合、学閥や合併企業閥、人事閥など複雑な派閥構造になるケースもあるようです。日常業務をこなしながら、これら社内の派閥政治をうまく処理することが昇進や人事考査に影響します。いわゆる社内政治に全く参画しない生き方もできるでしょうが、そうなると要職に就いたり、重要なプロジェクトを担当することは難しくなるでしょう。清濁併せ呑むことが出来る人が出世する、というのが日本の組織文化だといわれています。大きなリスクを取り過ぎない範囲で、上手に社内政治に参画する事が組織人として求められるでしょう。